キャッテリー椿

葵と言う名の猫

宇宙戦艦ヤマト2199の考察に使う画像を整理していたら、懐かしい物が出て来たんですよ

葵と飛燕の姉弟
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左が「葵・あおい、TubakiAoi」右が「飛燕・ひえん、TumakiHien」です

見ていたらどうにも泣けて来ましてね
ちょっと湿っぽい話になるんですが、思い出しついでなので宜しければお付き合い下さい

葵はブルー・クラシック・タビー&ホワイトの牝です
我が家で産まれた最初のブルーでした
ブルーと云うのはブラウンの希釈色で両親にダイリュートと呼ばれる希釈因子がないと産まれてこ来ないカラーです
ダイリュート因子は基本劣勢遺伝しますが、親が持っていても子が持つとは限らないちょっと不安定な遺伝子です
まぁ両親のどちらかがブルーの場合はほぼ間違い無く持っていると謂われているのですが、そこらは生き物相手ですから持っていても生まれて来るか否かは、猫神様の匙加減一つなんですね
後、ブルーはちょっと扱い辛いカラーでもあります
物凄くコートが柔らかくて毛玉に成り易く、当然シャンプーとかも可成り骨が折れます
ブルーを綺麗に仕上げられると云う事は、とりもなおさずシャンプーの基本がキチンと出来て居て尚かつ平均以上に”巧い”と言う事の証左にもなる、そんなカラーなんですね
また彼女は3度出戻る、と言うウチの最高記録保持者でもあります
非常に賢い牝で、それ故、他の猫には可成り手厳しい子でもありました
人に対しては文字通りのツンデレさん
本当にね
賢い牝はかくあるべし、と言う見本みたいな子でした
オマケに写真の通りの美猫さんでね
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当時は個人のHP(ホームページ)が主流でしたから、成長の写真を数日おきに更新していました
まぁ今でもブリーダー、特に猫ブリーダーはHPが主流だとは思いますが、此が正直結構な手間なんですよ
でも、当時は其れが当たり前と思っていましたし、私も仔猫達を撮るのが愉しくて成るべくこまめに更新するようにしていました
葵は仔猫の時から人一倍、否、猫一倍(笑)人目を引く子で、写真写りも良いお利口さんでしてね
そんな「目立つ」子でしたからウチのキャッテリーとしては珍しく何度か問い合わせを頂きました
実際に葵目当てに見学にいらした方も何人かいらっしゃいましたしね
でも、何故かウチから巣立っていかないんですよ
葵目当てに来た方も、どういう訳か別の子を指名して帰られるんですね
飛燕は最初から大柄でおっとり屋さんなのが判っていましたから、私の初「自家繁殖ブリ-ドでキャットショーにチャレンジ」を叶える為に「お残し」が決定済みでした
何回か問い合わせを頂いたり見学に来て頂いたりしている内に半年経っちゃいましてね
日本では半年経った仔猫はもう仔猫扱いされません(苦笑)から、基本「売れません」(笑
無償譲渡先を募集してお問い合わせを頂いた御家族の内、此方の条件を呑んでくださる方をピックアップして葵の嫁入り話を進めました
最初は近郊の若夫婦で、大人しいなんちゃってロシアンブルーな若い男の子(去勢済み)の御相手に、と言う事でした
実際に見学に来て頂き、先住猫が居る場合は相性がありますから、取り敢えず2週間トライアルと言う事で嫁いで行ったんですが、、、
1週間後に我が家へ帰って来ました ^^;
葵自体は別に威嚇するでもなく普通に振る舞っていたそうなんですが、なんちゃってロシアン君が葵にビビっちゃって、所謂家庭内「幻猫」になってしまったそうです
数日経ってもそんな状況が変わらなかったので、オーナーご夫妻と相談の上我が家に戻して頂きました
次は猫は初めてと云うご夫妻
何度かメールで遣り取りをし、実際に見学にも来て頂きました
その結果、とても葵を気に入って頂き、お二人に望まれて、望まれて、嫁いで行きました
葵もそのご家庭とお二人にとても懐き、互いホッとした頃、海外拠点に出張、しかも長期に渡るらしいとの事で、またもや我が家に出戻って来ました
そんな葵が10ヶ月を超えた頃、大家族のご家庭のお母様に見初められ、再度、嫁いで行ったのですが、、、
此方も1ヶ月後、先方のやむを得ない諸事情により三度我が家へ帰って来ました
もうぅね、こうなると
「お前ウチから出たくないんだね? ウチで子育てするかい?」と ^^;
葵も1歳に成っていましたし、タイプは決して悪い子ではありませんでしたから、我がキャッテリーの母猫バリエーションの一つとして手元に残す事にしました
是は当時の私には可成り思いきった決断でもありました
と云うのも、基本我が家で生まれた仔猫は「全て手放す」が当時の「信条」でしたから
そうしていないとブリーダーとしての私のキャパシティーを越えてしまうからです
どういう事かというと
渡した猫が飼育困難に陥った時に、頼りになる「駆け込み寺」で無ければならないからです
何時でも何処でも「出戻り」可!
と言う事ですね
ブリーダーはオーナーの一番の味方であり、相談者であり、避難所であるべき、と言う事です
オーナーに何か起きた時
例えば、病気や海外出張、介護、事故、ぶっちゃけ何でも良いんですよ
何かトラブルが起きた時に「力」になれてこそのブリーダーなんです
当然、渡した猫を引き取ることも視野に入れてサポートします
是が出来なくちゃ只の繁殖屋にすぎません
多くの愛猫団体が野良猫や保護猫達に対して行っている事が出来なくて、何がブリーダーですか?
他は知りませんが、私が色々と直接教わった先輩ブリーダーやベテランブリーダー達はみな「同じ事」を云い、実行していましたから、当然の義務だと思っています
さて、我が家に残る以上、色々とやらなければならない事があります
そんな一つがショーに参加する事でした
幸い、葵は弟の飛燕と共に参加愛猫団体へのナンバー申請と登録は済んでいましたから、甘ったれでのんびり屋で今一ボケボケな飛燕と一緒に連れて行き、審査して頂く事にしました
この写真はそんな「今一頼りなくてボ~っとしている弟」に付き合って参加したショー会場での「賢くて頼りになるお姉さん」な葵のスナップです

良い子でしたよ
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ショーでも宿泊先のホテルでも
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そして成績もなかなか良かったんです ^^
一番御世話になったブリーダーさんや、ウチの屋台骨のラインを下さっているブリーダーさん、葵の血統に繋がりのあるブリーダーさんとかにも、会場で直接葵に有って頂き、我が家の繁殖ラインに加える事でお披露目し、皆から了承を頂きました
さてこうして、無事正式に葵を残す事になりましたから、飛燕は我が家から出さ無ければ成りません
HPでオーナーを募集しようかと思った時に、ふと思い出したのがRちゃんです
彼女は、行きつけの爬虫類ショップの店員で、以前「一度本物のメインクーンが観てみたい」と云われた時に、彼を連れて行った事があります
なので一寸声を掛けてみたら、大喜びで「お迎えしたいですぅ!!!」と ^^
そう言う訳で、飛燕は無事彼女宅に嫁いで行きました
今も彼は彼女の御家族に愛されて、のんびりと元気に暮らしています

葵はその後ウチで産まれた仔猫達の良きお姉さんとして、立派に役目を果たしてくれました
只、可成り気の強い子でしたから、なかなか牡を受け入れなくて自身の仔猫は授かりませんでした
牡の方が、ね、、、なにせ当時のスタッドが天斬でしたからね
彼奴、今一淡泊なんですよ ^^;
今居るジャックならきっと気長に葵に付きまとい、最終的には口説き落としたと思うんですけどね
否、血統的に掛けられはしませんけど ^^;

そうこうする内に葵に異変が起きます
足がもつれるようになったんですね
丁度其の頃、やむなく保護したシャム柄の仔猫がFIPを発症していましてね
他の猫達とは完全に隔離して治療していましたし、残念ながら2週間ほど闘病し小さい身体(離乳前でした)で凄く頑張ってくれたのですが、力及ばす逝きました
その後、獣医師の指示で屋内の消毒とか可成り気を使ったのですが、影響が出たか!と文字通り青くなり、急いで掛かり付けの動物病院に連れて行きました
幸い葵はFIPではありませんでした
が、かと云って、何が原因か全く判らないのです
あれこれ検査したり、主治医の方でも文献や症例を捜して頂いたりしたのですが、結局、原因不明の神経症状と云う事しか判りませんでした
一時的な物かも、と言う事で暫く様子を見ていたのですが、一向に治まる気配がありません
最終的に少量のステロイドを試す事になりました
是が秋の事です
ステロイドは良く効いてくれたようで、足のもつれは随分改善され殆どなくなりました
けれど、今一危なっかしいと言う事で、主人に頼み込んで彼女1人寝室に隔離することにしました
当時、我が家で唯一猫禁の場所が寝室だったのですよ
と言うのも、猫達って明け方大運動会をする事が多くてですね
ほら、メインクーンってデカイでしょ?
でもって彼等は遠慮無く人を”踏み”ますからね
安眠妨害も甚だしくって ^^;

何度も言いますがとても葵は賢い子でしたから、直ぐに自分の置かれた事情を察知したようです
彼女の為に小さなケージを用意し、其処に入って貰う事にしたのですけど、是が不評でしてね
まぁ当たり前です
我が家では余程の事がない限りケージには入れませんから
なので、人が寝室にいる間だけケージに入って貰う事になったのですけれど、
是が殆ど直ぐに「寝る時だけ」になり、主人が部屋に居る時だけになり、結局1週間後には其のケージその物を撤去していました(笑
寝室での葵はとても穏やかで、相変わらず賢くて、粗相なんか一度もせず、でも、少しだけ甘えん坊になりました
夜は私の右枕元に置いた猫ベッドで寝るのがお気に入りでした
そんな日々が穏やかに過ぎて行ったのですけれど、確実にステロイドの量は増えて行き、毛艶も悪くなり少しずつ痩せて来ました
些か不活動になりはしましたが、それでも葵は昔のままの葵を保ってくれていました
我が家では毎年年末年始、猫達をペットシッターにお願いしてオスカー(先代犬・スタンダード・プードル)連れで主人の実家に帰省していたのですが、流石に葵の現状から家を空ける訳にはいきません
年末年始は私だけ猫達と共に家に残る事になりました
その年の年末、最後の診療日に何時もの様にステロイドを打って貰い、薬を調合して頂き、休診期間中の緊急連絡先(夜間休日診療所)を伺って帰りました
其れが28日の事です
その年の大晦日、葵は何時になくご機嫌で、珍しく何時までも猫じゃらしに反応して遊びました
行く年来る年を一緒に観、何時もの場所で一緒に眠りました
新年明けて2日、葵は静かに逝きました
私がちょっと所用で彼女の側を離れた、その間に、、、

今年の春、我が家で最期の仔猫達が産まれました
ブルーが居る!
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その瞬間、私の脳裏に浮かんだのは「葵が還って来た!」と言う事でした
飛燕に似た大柄で、おっとり屋さんの牡なのですが、面差しが葵に似て居るんですよ
否、もうカラーが一緒と云うだけの半分以上思い込みなのは自分で判っています
血統的に近い物は無くはないのですけど、ラインが全く違いますから
でも、此のタイミングで産まれて来たブルーの仔猫は、私に葵を強烈に意識させたのですね
因みに、我が家では今までにブルーは今回の仔猫を含めても3頭しか産まれて居らず、全て牝でした
葵の血統を断ちましたから
ブリーダーはこう言う時、ありとあらゆる事実を検証し、文献を調べ、時には先輩諸氏の意見を伺い、様々の物を天秤に掛け、其の血統を「判断、検証」します
いい加減な判断を下せば、必ず次世代の猫達からしっぺ返しを食らいます
が、逆に熟考を重ねたとしても「見通せなかった」事柄が出て来る事もあります 結果がどう転ぼうと全てブリーダーとして判断し行動した、己に返ります
そうした諸々全てをブリーダーは受け止めなければならないんですね
で、常に次を考える
原因を考える
予防策を講じる
それでも、結果が思うようにいくとは限りません
相手は生き物ですから
然もブリーダーはブリーダーである以前に一愛猫家で無ければ成りません
ですから当然、色々と障害を持って生まれた子や、葵のように原因の分からない病に倒れた子等は其のブリーダー自身が責任を持って最期まで面倒を見る訳です
だからこそ色々な面で「キャパシティ」が必要なんですね
物理的、精神的、経済的に余裕がないととてもブリーダーなんて務まらないのにはこうした素地があるからです
最期に生き物の生き死にを直接扱うのがブリーダーでもあります
当然「救えない命」に直面します
其れは「本当に救えなかったのか」という激しい後悔と自問自答の始まりでもあります
やれることはなかったのか
本当になかったのか 処置は適切だったか
自分の取った手段は最良だったのか
其れの果てしない繰り返しです
色んな意味で精神的に強く、且つ、ぶれない軸を持たなければなりません
そういう覚悟がないのなら繁殖なんかに手を出すべきではありません
結構日々が闘いの毎日ですから
然も、キャットショーに本格的に参加すると、更に熾烈な闘いが待っていますしね
だから、「ショーは戦場」で「猫は戦友」なんですよ
誇張でも何でもなく「戦場」で「戦友」なんですね
だから「愉しく無い」ととてもやっていられない訳です
今回、ブリーダーを無期限休止することにしたのには、一言で言うと「今は色々と限界」だからです
結構私なりに悩んだり迷ったりした結果、そう言う結論に達しました
猫以外にも爬虫類系でも2~3取っていたんですけど、其方の動物取扱業も一緒に返納してしまいました
現在登録しているのは、所属しているアメリカ本部の愛猫団体のみ、です
個人的には、猫のブリード等と言う物は”窮極の趣味”で有るべきだと思っています
まぁ、真面目にやればやるほど実際其の通りなんですね
当然、趣味の世界ですから「収支なんか度外視」もいい所です(笑
なので余計楽しめなくちゃ意味がないんですよ
辛くなったら、、、止めるしかない
取り敢えず今居る子達を健やかに保つこと
其れが最優先で今一番重要なこと
そう結論しました
自身がまた飼育、ショーチャレンジを楽しめるようになったら、、、その時また考えよう

そんな事を思って居た時に、他ならぬ葵の面影を携えたブルーの仔猫が産まれて来たのです
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私は色んな思いと共に、其の仔猫に先日「蒼獅郎(せいしろう)」と名前を付け、アメリカ本部の愛猫団体に登録しました
ブルーなので蒼(あお)
青いと言えば「真田志郎」なので「しろう」
「しろう」と言えば「藤本獅郎」なので「獅郎」
まぁ愛猫団体の登録はアルファベットですからどう漢字を当てようと「SEISHIROU」になるんですけどね ^^;

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「蒼獅郎(せいしろう)」こと「TUBAKI SEISHIROU」

長文にお付き合いくださり有り難う御座いました

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