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2015年6月

補足説明と訂正と

此の所、降るのか降らないのかはっきりしないお天気が続いておりまして
どうやら本格的に梅雨らしくなって来たようです
否、個人的には、余り歓迎出来ないんですけれどね
お天道様には勝てない故、致し方御座いません
否、下らぬ愚痴から始まってしまいました
身体の組成が障子紙で出来ているに等しい猫叉には、一番辛いシーズンで御座います故、愚痴の一つも出ようかという物
ご容赦下さい

実際の処、暑いだけなら何とか凌げるのですが、湿度が高いと其れだけでね
もうぅ、壊滅的ダメージを喰らってしまいます、、、orz
然も勤め先のバタバタが色々と治まっておりません
絶賛「6連勤」2回の後は、なんと「8連勤」が待ち構えて居たと言う、、、 ^^;
ええ、もう、どうにでもなれ、焼くなり煮るなり好きにしろ! な気持ちで御座いますw
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さて、そんな些かやけのやんぱち状態の猫叉ですが、今回の話題は前回UPした「人参」のお話しの続きです
と言うか、訂正と補足説明をば

先日、「人参」の片割れだった「短編ベスト10」を読んで居てふと気になったので、件の「テルミヌス(Terminus)」を一足先に読み返してみました
え~~~~と、、、
先ずは訂正とお詫びから
纏めの中で時系列が違って居ました
テルミヌスの発する信号からピルクスが船の過去に気付く
と書きましたが、完全に逆でしたね ^^;

ふとした切っ掛けから航海日誌を漁って自分が今乗っている船が件の事故船だと探り出す
其の後、テルミヌスが発する信号の中に事故当時の乗組員名が出て来るに気付いて驚愕し、、、

と言う流れでした
いやぁ、やっぱり書いてUPする前にはちゃんと確認しないと駄目ですね
一応ざっと見返してたのですが、見落とした様です
申し訳御座いません (平身低頭


此所で紹介しました「テルミヌス(Terminus)」は読んだ当時、文字通り「うおぅ!!」って思わされた1編でしたし
最終話の「運命の女神(Ananke)」は、何と言うか、本当に色々と考えさせられた話でした
他にも非常に興味深いお噺しが幾つも綴られています
冒頭の「テスト(Test)」こそ何となく結末が見えた物の、「パトロール(Patrol)」や「条件反射(Odruch Warunkowy)」、「審問(Rozprawa)」は、最後まで結末の予想が付きませんでしたし
「狩り(Polowanie)」や「事故(Wypadek)」は、各々AIロボットが噺の中心に据えられていますが、主題は其処では無く、人が其れ等機械人形をどう扱うか
其れ等、無機物の塊に何を思い入れるか、が丹念に描かれていて非常に興味深い物があります
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そんな中でもやはり最終話の「運命の女神(Ananke)」は少し別格に感じます
まず、此の話を読んだ時、真っ先に思ったのはレムの視点が正に「医者」の其れだったと言う事ですね
色々と何と言うか
夢も希望もない「裸の現実」が其処には淡々と描かれて居ます
冒頭からしてそうです
宇宙に出る場合、人として避けられない物は何か
其れは、突き詰めるとこう言う事では無いのか
と言った人としての命題、限界を問い掛ける
其処に描かれて居るのは、生物学的な限界であり、人としての限界でもあるから
妙に現実的で綺麗事の欠片も無い
普通なら夢と希望の象徴としてスマートで格好いい「宇宙飛行士」達を描くと思うのですけれど
彼はこう言う「身も蓋もない描き方」をする ^^;

レム自身、病で苦労して居るからこそこう言う描き方になったんだろうな、と其の時は思ったのですが、
其れだけでは無いですね
やはり、医師としての知識や経験や、そう言った物に由来しているんだな
と、今では思って居ます
自身の経験だけでは無い、正規の学問と知識から裏打ちされ描かれた「現実」と「限界」なんだな、、、と
そう言った意味においても、彼のSFはこう言う「寓話的なSF」ですらリアリスティックだったりします

こう言った「科学的アプローチ」に基づいたSFと言う意味で、良く比較されるのが「アーサー・C・クラーク」です
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「アーサー・C・クラーク(Sir Arthur Charles Clarke」

クラークの書くSFは可成り正確に近未来を予言していると言われていますし、実際「宇宙ヨット」が宇宙を飛んでいたりしますしね
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リアル@宇宙ヨット、ことIKAROS(イカロス)」
心情的感情的賛否はあるかも知れませんが、「海底牧場」等は文字通り遠くない未来の「お話し」となる事でしょうし

只、彼の描く未来は割と明るい希望がベース(基本形)の様な気がします
限界を超えて更に其の先へ!
正に「プルス・ウルトラ(Plus Ultra, ラテン語でもっと先へ、もっと向こうへ、更なる前進)」ですね
其の先には明るい未来が或る
そう信じて進もう! 
只、敢えて意地悪な言い方をするならば、其れはあくまでも「希望的観測」に過ぎない
レムの描く未来は、「(現実は)そんなに甘くないと思うぞ」と、そんな希望的観測に基づいた未来予想に水を差して来るのです
だから「お噺」でありながら酷く現実的で、有る意味残酷な近未来が其処には展開される事になります
そう言う意味においても、泰平ヨンシリーズより更に「現実味」を帯びた「お伽噺」がピルクスシリーズなのかも知れません

因みに、下巻収録の「ピルクスの話(Opowiadanie Pirxa)」は、個人的に可成りお気に入りの1話です
実は昨年冬「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」を観に行った時
「あ、此って "アレ" じゃんw ピルクスじゃんw」
と思わず呟いてしまったお話しでもあったりします
此所の経緯と言うか、感想は其の内(特に仕事方面が)落ちついたら、別個に取り上げて「宇宙戦艦ヤマト2199」の考察日記にしようと思っては居ますが、、、何時になる事やら ^^;;;
思い出し序でに一言だけw
アレはさ
「アンリ・ルソー」の絵が出て来た時点で「夢(軽い悪夢)」のお話しと判る
洋画好き、特にシュールレアリスム好き、だと其の辺りの「ガイド」が解り易いんだけどなぁ
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閑話休題

其れでも、レムは宇宙に行くな、とは決して言いません
むしろ、こう言うリスクを抱えてでも征くべきだ、と主張しています
其の辺りは彼の「ソラリス」でも同じです
ただ、「甘い夢は見るなよ」と釘を刺して警告して居るだけなのですね

最終話の後、「ピルクス」はどうしたか
続きは「大失敗( Fiasko)」で、、、と
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なんだか続きはwebで、みたいですねw
まぁ、実際はそんなに甘くも簡単でもないから今も頭抱えている訳で、、、orz

と言うか、何の補足説明にも無っていませんですね、此 ^^;;;

申し訳ない

あ、後、一言だけ苦言を
いえね、「テルミヌス(Terminus)」が、「ローマ神話における境界の標識の神。by.wiki」 である事は非常に重要なんだけど、文中で其処を紹介するのは如何な物かと
せめて訳者註で小説の後に書いて欲しかった、、、と思った次第
否、只の個人的感想です、ハイ

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近況報告と人参と「テルミヌス(Terminus)」

ありゃ~ 前回より3ヶ月も開いてしまいましたか ^^;
どーも、可成~~り お久しぶりな猫叉ですw
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なんと言うか、色々余裕が無さ過ぎましてね
店舗改装によるオーバーワークと過労でヘロヘロな上に、私事でのストレスが何重にも重なったと言うタイミングの悪さ
なんですかねぇ
何かの罰でも当たったんでしょうか ^^;
其れだけで無く、今回はダメージコントロールにも失敗しているんだよなぁ
全く気力がわかない状態で、PCすら碌に開けられなかったし
おかげで、師匠の生誕日にFBの表紙を替え損なってしまった、、、orz
gdgdしている内に日付が変わってしまい、慌てて差し替えた物が此方
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背景は、マーラー交響曲第10番
彼の絶筆にして未完の交響曲
死後は焼き捨てる様言い置いたと言う曰く付きのアレ、で御座います

勤め先のバタバタ(店舗改装の舞台裏)の1件につきましては、此は此で色々日記1本分にはなる「お話し」があったりしますが
今回は残念ながら割愛致します
只、一つ非常に面白い、と言うか、
興味深い事柄を此の目で見聞いたしましたので一言だけ
『働き蟻の2割は殆ど働かない』

さて、先頃新しく示された "人参" の方は、無事先月末手元に届きました
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其れ等で、何とか此所まで回復出来た、と言う気はしています
否、本当に我ながら情けないのですが、師匠達のアイテムが無いと墜ちたままなんですよねぇ
困った物です

で、其の「人参」のお話しですが、、、
いやぁ、久し振りに「泰平ヨンの未来学会議」を読みましたが、絶好調ですな
もうぅね、所々で思わず苦笑が漏れ出る位です ^^;
流石と言うか何と言うか

元々「泰平ヨンの未来学会議」は諧謔性の強い1編ですが、此の泰平ヨンシリーズの真骨頂とも言うべき作品だと思います
此のシリーズは、此の手の一見はっちゃけた不条理な展開と、言葉遊びが随所に出て来る(本当に訳者の方はご苦労された事と思います ^^;)ブラックなお伽噺が殆どなんですけれど、其処にある指摘とか視線とかは、本当に鋭くて今でも十分通用する問題が提起されて居ます
と、言う事は、此の小説を書いた当時と根本的に何も変わって居ない
つまり、問題は解決されず棚上げのまま今現在に到る、と言う事ですね ^^;

しかし改めて感じるのですが、此の人の知識って何処まで広くて深いのだろうか、、、と
訳者後書きにも在りましたが、色々とリアルと言うか、何と言うか、生々しいまでの描写が随所に御座いましてね 
何処までが現実で何処からが「妄想」なのか判然としません
現実かと思えば夢だと囁きかけ、夢だと信じれば現実を見せ付ける
悪夢の様なジェットコースターに登場人物のみならず、我々読者をも巻き込んで怒濤の如くお噺は進んで行きます
此等をもう少し虚構的(romanticにして夢を絡めると「フィリップ・K・ディック」になるかと思います
ディックは師匠が唯一認めたアメリカのSF作家ですからね
方向性は似て居るのかも知れません
但し、師匠の描くお噺にはそう言った甘美なアイテムは一切出て来ませんから、ゾッとする様な恐い側面が其処此処に顔を覗かせ煽って来ます
お伽噺の多くがそうである様に、此の泰平ヨンシリーズも其の本質は「ホラー」であり、闇の部分であり、冷笑と悪夢の世界です
こう言うお噺しを読んで精神の立て直し(ダメージコントロール)に成功する私も我ながら大概だとは思います (苦笑
ま、そう言う冷徹で、ぶっちゃけて言うなら「身も蓋もない」所が好きだからこそ、長年ファンをやってる訳でして ^^;
伊達に「思考の師」と崇め、自称「不肖の弟子」を名乗って居る訳では無かったりしますw

と言う事で
「未来学会議」は、薬(Drug)無しにトリップの追体験が出来る実に希有な小説で御座います
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不肖の弟子とか大層な事を言っておきながら、結構色んな情報が抜けたり漏れて居たりする猫叉です
実は、恥ずかしながら最近知った事なのですが、
レムの父親は地元で評判の名医で、専門は耳鼻科だったそうです
因みに出典は此方
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御本人が一寸変わったアプローチからのエッセーを書いていらっしゃいます

レム本人が医学生だったのは知って居ましたが、産科医だったとは知りませんでした
此は此で色々と納得出来る描写があったりします
特にソラリスの件(くだり)とか、エデンとか、今回の「泰平ヨンの未来学会議」でも
他にも、ああ、成る程ね~、と思える事柄が一杯
と言うか、今更? 第一この本自体可成り前に買っていたよね?
後、もっとちゃんと "調べ" ようね
と、またもやイタイ所を師匠に突っ込まれた様な気がして居ます、、、orz

元より知識欲の塊の様な方ですからね
然も医科なら当然、薬学や麻酔学とかの基礎学問を修了していらっしゃる事でしょうし、更に踏み込んで麻薬の知識や其の諸症状に詳しくとも不思議ではありません
其処へ、あの文才ですからね
ま、後は推して知るべし、、、と言う事ですよ 
そんな "お噺し" でも在ります
「泰平ヨンの未来学会議」は

で、もう1冊の人参は数日前から読み始めました
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うん、何だかんだ数年振りですからね
大切に読まなくちゃ ^^

レムと言うと「ソラリス」や「エデン」等の長編が有名ですけれど、実は中編や短編も沢山有ります
今回の「泰平ヨンの未来学会議」は中編(考えようによっては短編との中間的存在とも言える)ですが、「泰平ヨンシリーズ」本体は短編集です
個人的に一番お気に入りの「宇宙飛行士ピルクス」シリーズも短編集ですしね
レムの長編は少々取っつき難いかも知れません
テーマが重い上に、明確な解答が無いですし、根本的な理解に必要とされる背景が調べれば調べるほど膨大になって征きますから
其の点、短編は此の「泰平ヨンシリーズ」を初めとして、ブラックなユーモアが漂うお伽噺形式になって居る事が多いので可成り読み易いと思います
そうは言っても其処は師匠の事、可成り辛辣な指摘や、時折ぞっとする程冷たい視点を感じるので、やはり好き嫌い、得手不得手はあるでしょうけれどね

今回此の「短編ベスト10」も後書きから最初に読んでみましたが、成る程ね、と思う事が多々あって面白かったです
ふ~ん、「テルミヌス」って読者アンケートでは最下位だったんだ
で、レム自身のお気に入りだったので収録されたと
成る程なぁ
個人的には読んだ時、「凄い!」と感じた可成り印象深いお話しでしたから、些か意外ですね、アレが最下位と言うのは
個人的には、一押しの「ピルクスシリーズ」の1編なので、御本人のお気に入りだった、と言う話は素直に嬉しいですね ^^

「テルミヌス(原題:Terminus)」は、少し切ないミステリアスなホラーです
何処かに粗筋が紹介されてないかなぁ
自分で纏めるの面倒で、、、、 ^^;
と思ったので、Google先生を呼び付けました所、、、
「テルミヌス(Terminus)は、ローマ神話における境界の標識の神。」 by.wiki
えええ~~ 知らなかった!
あ~、成る程!! 其れで「テルミヌス(Terminus)」なのか!!!
そーゆー事か!!!!
一つ納得が行った、と言うか、そうだったんだ~、だから「テルミヌス(Terminus)、境界、標識の神」なんだ~
、、、、、、、、、、、、、、、orz
やはり、師匠のネーミングは其の殆どに「ウラ」が隠されて居ると考えなければならない
そう思い知った夜更けでも御座いました (悲哀
と言う事で、せめてもの贖罪に「テルミヌス(Terminus)」の粗筋を私なりに纏めてみました

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大昔、とある有名な大事故の為に乗組員が全滅した宇宙船で、唯一生き残ったのが「テルミヌス」と名付けられたロボットだった
此の壊れかけのロボットは、彼の宇宙船にそのままひっそりと残されて居た
ピルクスは、在る時、今は名を変え、所有者を変え、内装や装備等を変えられた其の船の船長となる
そして、其処に居たロボット、テルミヌスと出会う
テルミヌスは反応炉室(機関室の様な処)で放射能漏れを探知し、其れを物理的に防ぐ作業(具体的にはセメントで固める)に従事するロボットである
老朽化し可成りおぼつかないながらも、なんとか仕事をこなしている
ピルクスは其のロボットの作業時に出る音が、図らずもモールス信号になって居るのに気付く
其処で打たれる遣り取りから、彼は現在自分達が乗っている古い貨物船が昔一大ニュースとなった件の船である事を知る
ロボットが打つ信号は、遭難時の乗組員が行って居た物を再現して居るとしか思えなかった
ピルクスは、興味深く其のやりとりを "聴いて居た" のだが、ふと在る疑問が頭をもたげ、彼を悩ませる事になる
ある日、彼は遂にロボットが再現する "最後の遣り取り" に自身の質問を割り入れてしまう
一瞬の沈黙の後、其の質問に返答し掛かったロボットだったが、次の瞬間「ソチラハ ダレダ」の連打で応じはじめる
いたたまれなくなったピルクスは、「ダレダ」を連打するロボットに停止を命じ、逃げる様に其の場から脱出する
そして、ロボットの分解処理命令書にサインするのだった

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とまぁ、こう言うお噺しなんですが
こう言う風に纏めちゃうと、なんか滅茶苦茶素っ気ないですねぇ
もっと、何と言うか、複雑な気分になるお噺しなのですが
短編なのでご自身で読まれるのが一番良いと思います ^^;
収録は此方か此方で
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さて、久し振りにオーケストラ噺でも推敲しながら暫く遊んでから寝るとします
今日も明日も明後日も~ フルで仕事~ なのだよ、ワトソン君、、、orz
いい加減自分の休みが欲しい猫叉でした

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