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Sinfonia・シンフォニア <休憩時間のロビー> 5

で、地味に続いている <Sinfonia(シンフォニア)> ですけれど
まぁ、創作が母体の「お噺」とは言え、実は本物の逸話をベースに創作して居る部分も結構有ったりします

例えば、作中人物のセルが軍人へ「ベートーヴェン交響曲第3番<英雄・エロイカ>」の説明をする件(くだり)ですが

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《Sinfonia・シンフォニア <第2楽章> 6》より

「此のエロイカは当初、文字通り ”英雄”ナポレオンに捧げられた物なのです。
ナポレオン(かれ)の活躍は、ベートーヴェンを奮い立たせ此の曲を書かせる原動力となりました。
しかし、ナポレオンが皇帝の地位に付くとベートーヴェンは怒り狂い、其の ”英雄”に捧ぐ、の表題を消したと言われて居ます。」

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其の有名な譜面の画像が此方
Eroica_beethoven_title

此の逸話は可成り有名で、余りクラシックに縁のない方でも耳にした事が有ると思われる程なのですが
実は、ベートーヴェン本人が「そう」と明言している訳では無いのですよ
この逸話自体は、彼の弟子が広めた物でしてね
事実は違うのでは無いか、とも言われています
理由や根拠は色々と有るようですが、一般的に言われて居るのは
ベートーヴェンは終生ナポレオンの崇拝者だったという事ですね
此は可成り有名な話ですし「皇帝・エンペラー」と呼ばれるピアノコンチェルト(協奏曲)も其の後に書かれていたりします
但し此の「皇帝」と言う呼称はあくまでも「通称」で、ベートーヴェン本人が付けた物ではありません
何時の間にやら誰からとも無く、「ベートーヴェンピアノ協奏曲第5番」を「皇帝・エンペラー」と呼ぶようになった、と言うのが正解のようです
因みに、ベートーヴェン交響曲第3番「英雄・エロイカ」の方は、ベートーヴェン本人が副題を付けています
其の「英雄・エロイカ(ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」)」が完成したのは1804年の事です
「皇帝・エンペラー」は
「ナポレオンがウィーンを占領し、ウィーン中が混乱に陥った1809年頃に作曲が開始されたといわれる」by.wiki
と言う事のようですから
まぁ、彼の先生の事ですからね
本当に怒り狂って「英雄・エロイカ」の表題を消して居たとしたなら、そもそもこう云う楽曲自体出来なかっただろうなw 
とは、思いますね
とは云え、ああ言う堂々たるピアノコンチェルト(協奏曲)、正に「皇帝・エンペラー」の名に相応しい作品を書き上げておきながら、敢えて表題を付けなかった辺り、やっぱり帝位に付いたナポレオンに対して心の何処かで失望して居たのかな? 
とも思ったりもします
其所は神ならざる身故、誰にも解りません
只、確かな事が1つだけ有ります
其れは、当初ナポレオンに「英雄」と題して献上する予定だった曲を本人自ら「辞めた」と言う事ですね
其れも単純に辞めたのではなく、譜面に穴が開く程激しく表題をペンで書き潰して居る、と言う事実です
まぁ、何かと喜怒哀楽の激しい方だったようですから、何か「気に障る事」があったのは確かでしょう
只、「其れ」が何だったか、は「永遠の謎」と言う訳ですね
お陰で、後世の研究者達に取っては格好の課題を与えられた事になりましたし、と同時に私のようなマニアにとっては、格好のネタを提供して頂いた、と言う事です
まぁ、御本人が此の事を知ったら、色々とややこしく成りそうですが ^^;

お噺では、此処まで突っ込んで作中人物のセルに語らせると、説明が冗長し解り辛くなるだけですので、簡潔に「(本人に確認が取れない以上)真相は闇の中ですが」と言う事にして納めました

因みにエロイカという曲は此方
「Beethoven Symphony No 3 OP 55 VPO Hans Schmidt Isserstedt (1965) 」
http://www.youtube.com/watch?v=3Gvzf5SzD0s
<Vienna Philharmonic Orchestra
HANS SCHMIDT-ISSERSTEDT>

「ハンス・シュミット=イッセルシュテット(Hans Schmidt-Isserstedt)」
Hsi01

うん、イッセルシュテットのベートーヴェンは本当に王道ですねぇ ^^
ウィーン・フィルのベートーヴェン交響曲を聴くなら、やっぱりこう云う演奏を私は聴きたいと思います

賛否両論あるとは想いますが、個人的には此の第3番「英雄・エロイカ」がベートーヴェン交響曲中、最高傑作にして最大の難曲だと思って居ます
今でも環境と状況が整い、更に時間が許すのなら、何時の日か自分のContraBsaaを購入し、もう一度ベートーヴェンの交響曲を舞台で弾いてみたいと想い続けていますが、此の第3番だけは遠慮します ^^;
其れも可成り激しく遠慮申し上げますね  ^^;;
ハッキリ言って、辞退させて頂きます ^^;;;
どう考えても私ごときへなちょこベーシストでは「愉しくない」と思われますので、、、orz
以前も何処かで書きましたが、ベートーヴェン先生は素人には其れなりに優しく、玄人には相当に厳しい方です
綿密に計算し尽くされた煉瓦を物凄く精密に積み上げて、楽曲が造られて居るんですよ
なので、何処かが剥き出しになったり、孤立したりする事がありません
多少の崩れやバランスの悪さ、出来の悪さなどではビクともしないのです
ぶっちゃけ、相当アンサンブルが酷くても「聴けて」しまいます
其れは取りも直さず、演奏者側にとっては究極の「安全保障」だったりします
然も何故かベートーヴェンの交響曲って、演奏した後に何とも言えない「達成感」が有るのですね
ベートーヴェンを演奏り遂げた~!! と言う独特の「爽快感」があります
無論、実際の演奏を後から聞き返すと激しく、文字通り 「orz」 と成りますが ^^;
実際の処、可成りな部分を楽曲自体がフォローするので、たとえアンサンブルが酷くても、誰かが派手に間違えようとも、出だしが揃わなくとも、結果的に全体が破綻しない、と
其れだけの事なので、或る意味当然と言えば、当然の結末なのですけれどね ^^;;
演奏後の達成感と爽快感を持ったままヘタに聴き返したりすると、其の余りの出来の酷さに「愕然」と成ること請け合いですw
それ位、彼の人の楽曲は周到に造られて居るのですよ
だからこそ、素人には優しく出来るのです
此は返せば、単に上手いだけ、揃って居るだけ、では駄目だと言う事になります
物凄く精密に出来ている「正六面体(せいろくめんたい、regular hexahedron)」を単に "立方体" として表現しても、誰も感動しないのと似て居るかも知れません
其れが如何に精密で、無駄が無く、美しい究極の「形」であるか、を説明ではなく、自らの色(主張)で表現しなければ成らないのですから
此の辺りが、玄人には可成り厳しい、と言われる所以だと想います
私にとって人生の師匠の方の「セル」も、「英雄・エロイカ」には色々と思い入れがあったようです
因みに彼がその人生に於いて最後に指揮をしたのは、他ならぬ此の「英雄・エロイカ」だったりします
尤も相当体調が悪かったらしく「(指揮が)止まりそうだった」と伝えられていますが

序ですから「皇帝・エンペラー」も貼っておきます ^^
先ずは此方
「Beethoven Piano Concerto n°5 in E-flat major, Op. 73-1st mov. part1」
http://www.youtube.com/watch?v=poTML13AeIk&list=WLB1AF3E542952F1B7

ベームの指揮で演奏がウィーン・フィル、ピアノがポリーニと云う、これ以上は有り得ないだろうとも言える「鉄板の組合せ」です ^^;
「マウリツィオ・ポリーニ(Maurizio Pollini)」
643pollini1_1



だけど、例によって私は此方の方が好みだったりします ^^;;
「Van Cliburn, L.v. Beethoven Piano Concerto No.5 in E flat major Op.73 Emperor」
http://www.youtube.com/watch?v=IfqKh-SqboY
<Van Cliburn Piano、Chicago Symphony Orchestra/Fritz Reiner Conductor>

ピアノ:ヴァン・クライバーン
指揮:フリッツ・ライナー
演奏:シカゴ交響楽団

「ヴァン・クライバーン(Van Cliburn)」
Ibyi8_vamhl01

「フリッツ・ライナー(Fritz Reiner)」
Reinerdirector

辻井 伸行(つじい のぶゆき)が優勝した事で一躍(日本では)有名になった「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」の「ヴァン・クライバーン (Van Clibun)」です
クライバーン自身は、惜しくも先日癌で亡くなられたようですが
此を聴く限り矢張り彼、クライバーンは天才ですね
実に伸びやかで、堂々たるベートヴェンです
本当に良い演奏ですねぇ
只、後年彼自身に降りかかったアクシデントや数々のストレスに倒され、折角の才能が潰されてしまった事は、本当に残念だと思っています
youtubeの音源に録音年データが載って居ないので、此が何時のどう言う形態での演奏か解りませんが、フリッツ・ライナーが振っている時点で、可成り前の物ではないかと思われます
ああ、すみません
良く見たらちゃんと書いてありました
1961年の物のようです
彼自身が一番良かった頃の演奏かもしれません

Druianszellps
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コメント

>PIOさん
何時も有り難う御座います ^^
良いですよね、此の皇帝♪ 
実は私も久々に聴きました
普段は余りコンチェルトをチェックしていないので、本当に耳にすること自体久々なのですが、やっぱり良いですねぇ
名曲だし名演だと思います

投稿: LIN | 2013年3月26日 (火) 03時38分

クライバーンの演奏、みずみずしいですね~。
確かに、彼が一番いい頃の演奏だと思います。
皇帝、久々に聞きました。
改めて名曲だな~と思いましたよ。
ご紹介、ありがとうございました。^^

投稿: PIO | 2013年3月26日 (火) 00時39分

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