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「大失敗(原題/fiasko)」

はい、現在「大失敗(原題/fiasko)」通読3巡目に突入中です w
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註)「fiasko」とは、英名詞(野心的な企てがこっけいな結果で終わるような)大失敗、若しくは、完全な失敗、大しくじり

でもって、例によって「ヘルメス号」の様に途方に暮れて彷徨ってますが、何か ww
註)「ヘルメス号」とは、「大失敗(原題/fiasko)」に出て来る先遣偵察艇の名前

従って、只今、気分は絶讃「スティアガード」で御座いますよ www
註)「スティアガード」とは、先遣偵察艇「ヘルメス号」指揮官の名前

いえね、前々から薄々感じては居たんですけれど、どうも私はレムの描く指揮官に弱いようですね
其れも最前線の10名位を指揮する指揮官に惚れるケースが多いです
「エデン」のコーディネーター然り、「砂漠の惑星」の無敵号隊長然り
可成り重要なポストを占める「脇役」であるのは間違いないのですが、間違っても主人公には成らない人達ですね
然も「死亡フラグ」(特に精神的に)が立っているケースが殆どです
まぁ此奴は、私の場合お約束みたいな物ですが、、、^^;;;
(ここいら辺りのジンクスについては、過去日記「エースは俺の嫁」参照)

彼等は総じて、指導力に富み決断力もある優秀な指揮官達なのですが、テーマがテーマ、と云うか
作者が作者だけに皆さん大概が色々と行き詰まり、挫折しまくります ^^;
1つ1つの指示決定は決して過ち等では無く、考えられ得る最善策である筈なのに、結果的には「大失敗」を招いてしまう、、、と言う ^^;;

今回も例によってと言うか、案の定と言うか、此の不運な先遣隊指揮官に惚れたようです
個人的にレムの作品中では「エデン」のコーディネーター(彼は名前すら付けて貰えないw)が不動の第一位なのですが、此のスティアガードは今回可成り私的に高ポイントを獲得しましてね
因みに第3位は、久々の主役「宇宙飛行士ピルクス物語」の主人公「ピルクス」かな
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ああ「ヘルメス号」のメインフレームAI「GOD」も気に入ったので、同率3位ですかね

今回も、凄く冷静に静かに狂気へと「判って」いながら流されて行く指揮官の描写は、流石はレムだなと
後、コンピュータ(GOD)との遣り取りが非常に面白いですね
此の辺りゴーレム14世(「虚数」に収録)を髣髴とさせるシーンが随所に出て来ます
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(「虚数」についての想いは、過去日記「長い待ち時間を敢えて待つ愉しみ」参照)

大失敗が取り上げるテーマを考える時、人の文明への傲慢さを笑っているだけでは無い、と思うのですね
今までに色々なレムの作品を読んで来ましたが、基本的にキャラクターと言う「人物」を余り「描かない」レムの作品の中で、此の「大失敗」は比較的「人物」を中心に据えて、其の周辺を丁寧に描いているように感じます
なにしろ「エデン」なんか役職名で終始してしまい、最後まで「固有名」を付けて貰えないまま終わりますからw
そう言う人の作品にしては、丁寧に描いている様に思います
個々の人物、と行くに指揮官は至極真っ当で、優秀な、モラル或る、常識以上の人達なのに、もたらされる結果は大失敗、、、と言う諧謔性だけじゃないのですね
1人1人は優秀過ぎるくらいなのに、その背景にある人類(の総意という欺瞞)は度し難く傲慢で愚かしい存在で、最終的には優秀な個々人が其の狂気に呑まれて行く様を描いているような気がします
此の辺り、私がSinfonia(シンフォニア)で図らずも作中人物の「レム」に云わせた「小さな狂気が大きな狂気となって人を飲み込んでいく」の例えを云う件に似かよっているようで、可成り興味深い物がありました
一見全く関連が無いようにさえ感じられる、第1章とそれ以降の展開にしても絶対繋がりがあると睨んでいます
何しろ1/10にまで推敲する人なんですよ?
無駄な物を残しておく筈がないじゃないですかw
確かに第1章と、それ以降が描かれた年代は離れているかも知れませんが、私は敢えてああ言う「舞台背景」を設えたのでは無いかと思っています
作中に出て来る「伝説(是も作中作のような架空の伝承が元)の蟻」の例えは面白い、と言うか既視感が凄いですね
ブラウンだな、此の辺りの既視感はきっとw
「赤と黒」だったと思います
蟻と言う存在に「人類」のミニチュアを重ねる手法は、或る意味古典的なのかもしれません
只、其の両者の解釈には余り共通項はないのですが、何と言うか、こう、狂気じみた諧謔性には似た物を感じます
、、、とか言うと「思考の師」に雷落とされそうですが ^^;;
「存在」と「認識」のテーマは、Lemに掛かると何時もこう云う形而上学の問題にまで発展して征きます
でもって何時もの事ですが、答えは用意されていません
そうは云っても、答えが無い訳でも無いのですけれどね

しかしながら此の「大失敗」は、「虚数」に比べると遙かに読みやすいです
物語としても非常に興味深いですし、色々な描写や人物の言動1つ1つが割と分かり易いのですよ
但し、其の全体像たるや可成り抽象的で、救いは、、、相変わらず有りません
今回は、巻末に簡単な解説や、注釈や、架空固有名の一覧等が有りましてね
此が本当に物凄く有り難かったです
何時もはこう言う便利グッズのような頁は有りませんから、疑問点や判らないこと、描かれている事の背景等は自分で調べ、元になっている文献を漁り、関連した本を読み返す、、、と言う作業をイチから自分1人でやらないといけません
此がまた大変と云うか、大概はそうした「作業」の量が「オリンポス山(実際に火星にある大火山、高さがエベレストの3倍はあるとされる)」もかくやと思わせる位の勢いで私の前に立ち塞がり、しかも其の道中で「遭難」し路頭に迷う事確実ですから、マヂでリアル「orz」となります
今回ネーミングが物凄く凝っています
と云うか、ネーミング1つにアレコレ踏まえたり、背景や周辺の知識を要求しすぎです、師匠 ーー;
もうぅ、泣いて良いですか   TT

因みに、巻末にレムを評してこう書かれていましてね
物凄く納得しました
「認識の限界の飽くことなき追求者」 by.沼野充義

閑話休題

私がメインに使っているブログサイトのアクセス解析には、言語、国別と言う項目がありまして、何処の言語圏からのアクセスなのかを見る事が出来ます
先日、何気なく其の項目で解析しましたら、英国圏からのアクセスがコンスタントに付いていて吃驚しました
流石に少ないですが、毎日コンスタントに付いているんですよ
更に「Polish」(ポーランド語)と言うのが3件もあってですね
思わず 「ひょえぇ~~~! @@!!」 となりました ^^;
此は恐らく、以前某顔本頁「Stanislaw Lem」に上がった動画のコメント欄に「日記で取り上げました」と書き込みをしましたから、其の性かとは思います
其れにしても「Polish」(ポーランド語)ですか~
いやぁ、光栄と云うか、何と言うか、、、^^;
なんですかねぇ
やっぱりネットって裏側では、ちゃんと世界に繋がって居るんですね 
有り難いような、恐れ多いような、怖いような、不思議な感覚です

本当に私のブログなんか個人の、其れもド素人の書く独断と偏見に満ちた「戯れ事」に過ぎません
其れなのに、顔が見えなくとも、足跡機能が無くとも、ちゃんとこうして見に来て、更に読んでくれる人が居る事が判るのは、本当に嬉しいです ^^
様々な意味で、実はとても怖い事柄ではあるのですが、CRTの向こう側は其れなりの「先」へと繋がって居るのだな、と実感した出来事でした
うん「裏の人など居ない、キリッ!」と云った処でしょうか(笑
あ、因みに書き込みや解読はネット上の簡易翻訳ソフト使って居ます
当然ぢゃないですかw
猫叉は基本、和製妖怪ですからね
アルファベットだの、英語だのと云うハイカラな物を観ると総毛立ちます

さて、もうそろそろ救いも何もないクゥインタ星に戻りますか
彷徨える指揮官、スティアガード航宙士がお待ちですからw

しかし、思考の師「Lem」もこうして写真見る限りでは、犬好きな普通のオジサンにしか見えないんだけどなぁ、、、^^;
(因みにドイツシェパードと写っている写真も何処かで見た気がします)

Lem

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