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第九交響曲のジンクス ・ 通称 「Symphony.9の呪い」

クラシックは古い歴史がありますから色んなジンクスが在ったりします

後、結構誤解されているようですが、作曲者も演奏者も無論指揮者も、まぁナニカト個性の強い、今風に言うなら「濃ゆい」人達の集まりです
そんな個性派軍団の中でもずば抜けて「濃ゆい」のが、楽聖とか言われている「Beethoven・ベートヴェン」其の人です
Beethoven
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(独: Ludwig van Beethoven)

wiki君に紹介されている逸話だけでも”こんな状態”ですからね
いやぁ、本当にナニカト凄い人ですよ、彼は ^^;
以前にも紹介した事があるのですが、彼の楽曲は最初から最後まで彼自身の物凄く強い”意志”を感じるんですね
譜面が語るのですよ
「徹頭徹尾、何があっても私(の書いた音)に従え」と
リピート(繰り返し)は言うに及ばず、一寸したクレシェンド、ピチカートの指定、果てはアクセントに至るまで、その存在を強烈にアピールし、実行を強要して来ます
楽曲全体は言うに及ばず、其所にある音の1つ1つにまるで小さな彼が乗り移ったかのような錯覚にさえ陥ります
実際に彼の交響曲を演奏するとよりハッキリするのですが、其所にあるのは強烈な存在感を放つ彼の意志その物なんですよ
まぁ、反骨精神の塊の様な方でしたから、そこら辺りは致し方が無いと思います
ContraBassにとってもベートーヴェンは決して容易い曲ではありません
只、弾いていて物凄く楽しいんですよ
まぁ、此も前に書いた通りなのですが、彼は素人には優しいですからね ^^
実に愉しい

で、此のベートーヴェンですが、其の決して長からぬ、そして決して穏やか成らざる生涯の内に、9つの交響曲を書いています
実際には10番目の交響曲が存在すると言うか、着手しているのですが未完に終わっているんですね
なので、ベートーヴェンの交響曲としては第1番から第9番までの9つが全てです
因みに、一般によく知られる「運命」は第5番交響曲ですし
年末になると何故だか世界中で演奏され始める、通称「第9・だいく」は文字通り第9番交響曲で「合唱付き」の副題が付きます
世界中には多くのベートーヴェン・ファンが居て、此等9つの交響曲をこよなく愛しているのですけれど、どれが好きか、、、と言う話になると2派に分かれる事があります

9つの交響曲を羅列すると此方なんですが

第1番 ハ長調 op.21
第2番 ニ長調 op.36
第3番 変ホ長調 『エロイカ(英雄)』 op.55
第4番 変ロ長調 op.60
第5番 ハ短調 (運命) op.67
第6番 ヘ長調 『田園』 op.68
第7番 イ長調 op.92
第8番 ヘ長調 op.93
第9番 ニ短調 (合唱付き) op.125

、、、あ、op.とは「作品番号」の略です

つまり第3番の「エロイカ」か、第6番の「田園」か、と言う話ですね
全曲聴くと判るのですが、エロイカに代表される、1番5番7番と、田園に代表される2番4番8番とでは、作風と言うか現されている”色彩・いろ”が結構違うんですね
なので好みが分かれる所だと私も思います
此を「奇数派」「偶数派」なんて呼んだりもします
因みに猫叉は7番が一番のお気に入りなバリバリの「奇数派」で御座います
閑話休題

で、ですね
余りにもベートーヴェンの才能がずば抜けて居たのと、まぁ ああ言うなんと言うか一寸”人外”では無いかとさえ思わせる強烈な個性と意志の持ち主でしたから、後生の作曲家に与えた影響と畏怖は凄まじい物がありました
私の好きな作曲家にブラームスと言う著名な方が居るのですけどね

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ヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms)

まぁ、良く
「バッハ(Bach)、ベートーヴェン(Beethoven)と共に、ドイツ音楽における「三大B」とも称される」by.wiki
とか言われている人です
彼はその生涯に4つの交響曲を書いているのですが、あの有名な交響曲第1番の冒頭に辿り着くまでに実に21年の歳月を費やしています
此、全てかの「運命」に負けない物を!との想いからなんですね
運命の冒頭は良く「運命はかく扉を叩けり」と言われて居る(まぁ此は実際の処、真偽の程は知れないのですがね)ように、インパクト絶大なんですよ
で、此を越える冒頭を!とブラームス先生が21年もの間必死になって考え出したのが、あの有名なティンパニのCで始まる冒頭だった訳です

「Brahms - Symphony No. 1 in C minor - I. Un poco sostenuto -- Allegro (Celibidache)」
<Münchner Philharmoniker - Sergiu Celibidache>


此は「心臓の鼓動」だとも言われて居ます
参考動画の演奏はミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団で、指揮者はセルジュ・チェリビダッケです
実はこのチェリビダッケもなんつーか、此の目茶苦茶「濃ゆいぃ」人でしてね
多分、彼の話題だけで一個日記が上げられる、そんな人です ^^;
今思えば奇跡的としか思えないんですけど、彼の演奏会(ライヴ)を聴きに行った事がありましてね
いやぁ、噂に違わず凄かったですよ、あれは、、、
勿体無いので、その話は又何時か改めて書きます

ブラームス先生のような極端な方は除外するとしても、実はベートーヴェンが生涯に残した9つ交響曲を彼の死後「数」で越える大作曲家は居ないんですね

シューベルト
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フランツ・ペーター・シューベルト(ドイツ語: Franz Peter Schubert)>
然り(有名な「未完成」は8番です、因みに完成している最後の交響曲は「グレイト」で9番、ああ只此の番号振り、今は色々と混乱しているようですね ^^;、)

ドヴォルザーク
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アントニン・レオポルト・ドヴォルザーク(チェコ語:Antonín Leopold Dvořák)
然り(「新世界より」は第9番)

チャイコフスキー
Tchaikovsky
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(露: Пётр Ильич Чайковский)
然り (「悲愴」は第6番)

ブルックナー
Bruckner
ヨーゼフ・アントン・ブルックナー(Josef Anton Bruckner)
然り(交響曲第9番は未完成に終わっている)

此が所謂「ベートーヴェン交響曲第9番の呪い」通称「Symphony.9の呪い」と呼ばれるジンクスと言うには余りにも強烈な「事実」です

さて、実は此処からが本題なのですが(前振り長すぎ!と言う陰の声を無視して続けます ^^;)
実質此の「Symphony.9の呪い」を乗り越えた大作曲家が居ます
他ならぬマーラー
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グスタフ・マーラー(Gustav Mahler)
その人です

彼の書いた交響曲を羅列してみます

交響曲第1番ニ長調「巨人」
交響曲第2番ハ短調「復活」- 独唱(ソプラノ、コントラルト)、合唱付
交響曲第3番ニ短調 - 独唱(コントラルト)、合唱、少年合唱付
交響曲第4番ト長調 - 独唱(ソプラノ)付
交響曲第5番嬰ハ短調
交響曲第6番イ短調「悲劇的」
交響曲第7番ホ短調「夜の歌」
交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」 - 独唱(八声部)、2群の合唱、少年合唱付
交響曲第9番ニ長調
交響曲第10番嬰ヘ長調(未完成)
交響曲「大地の歌」イ短調 - 独唱(テノール、コントラルトまたはバリトン)付

是だけ見ると単純に「Symphony.9の呪い」通り、第10交響曲で斃れた事になっているのですが、此を完成年代順に並べ替えてみると

交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」 - 独唱(八声部)、2群の合唱、少年合唱付
交響曲「大地の歌」イ短調 - 独唱(テノール、コントラルトまたはバリトン)付
交響曲第9番ニ長調
交響曲第10番嬰ヘ長調(未完成)

こうなります
どういう事かと言うとですね
実はマーラーは此の「Symphony.9の呪い」を非常に気にして居た作家でしてね
8番目の後に作った交響曲に通し番号を付けなかったんですよ
決定稿のスコアにも「大地の歌」とだけ記されていて「交響曲」とは全く記されていないんですね
「大地の歌」は実質上の第9番交響曲なのですが、ナンバリングがされていないと言う、まぁ、珍しいと言うか、このジンクスを意識したとしか思えない、そんな楽曲です
此の「大地の歌」を含めると、彼は此の時点で「第9番目の交響曲」を完成させた訳ですね
この後「交響曲第9番ニ長調」を完成させます
事実上の「第10番」の交響曲ですね
此が1909年夏の事です
で、翌1910年に「交響曲第10番嬰ヘ長調」の作曲に取り掛かるのですけど、1911年5月にウィーンで亡くなり(因みに末期の言葉は「モーツァルト・・・(Mozarterl)だったとされています)結局「交響曲第10番嬰ヘ長調」は彼の死をもって未完のまま終わります

ハイ<「Symphony.9の呪い」は成立してしまった>んですね  ^^;
「第10番交響曲」はジンクス通り完成しなかった訳です ^^;;
まぁ、何処まで祟る気かベートーヴェン、と、、、^^;;;

尤もネタ明かしをするならば
「実際、ベートーヴェン以降の意味の「交響曲」を作曲するのには長い時間と体力・精神力を要し、さらに作曲家が実際に創作を行える時間を考慮すると、9曲程度が限界であるという説もある」by.wiki
と言うのがまぁ、真実なのでしょうけど
ベートーヴェン先生の個性が強烈すぎましてね
こう言う話がまことしやかに今でも囁かれている訳です

事実、ショスタコーヴィチ
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ドミートリイ・ドミートリエヴィチ・ショスタコーヴィチ(ロシア語: Дмитрий Дмитриевич Шостакович)>
なんか15曲も交響曲書いてますし

そんなクラシックの迷宮を楽しむBGMに、届いたばかりの<マーラー作曲「交響曲第10番嬰ヘ長調」>を選んだ”真夏の宵闇”で御座いました

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コメント

コメントを有難う御座います ^^
お返事が遅くなりまして申し訳御座いません

いえいえ、とんでも御座いません
根がヲタで引き籠もりな物ですから、色々と突っ込んだり調べたりすることが好きなだけです
ベートーヴェン先生は優しいですから、正直に「こんなの弾けません!」って云うと物凄く「困った顔」をなさいます ^^;
現役時代は結構とんがっていたので指揮者の方とか作曲者に”喧嘩”売っていました(笑
おお、偶数派ですか ^^
田園も好きなのですが、個人的に一番好きなのが7番なので奇数派を名乗っております
此方こそ、どうぞ宜しくお願い申し上げます

投稿: LIN | 2012年9月 9日 (日) 06時04分

いろいろ教えていただきありがとうございます。
かような知識なく、ただ聞いたり、弾いたりしているのですが、
ベートーベンの楽譜、確かに「この通りに弾け!」です。
ご指示通りに弾くのも至難の業ですが…。
しかしフレームがしっかりしているので、
仰る通り「素人に優しい。」いっぱい練習すればね。
交響曲の好みは偶数派です。
これからも宜しくお願い致します。

投稿: anan | 2012年9月 7日 (金) 10時42分

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